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下野市

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About Shimotsuke

安心が支える暮らしやすいまち、下野市

栃木県の南部に位置する下野市(しもつけし)。
都心から約85km圏に位置し、北は宇都宮市、南は小山市、東は真岡市と上三川町、西は栃木市と壬生町に接しています。小金井駅・自治医大駅・石橋駅と、市内にはJR宇都宮線の駅が3つあり、小金井駅から東京駅までは乗り換えなしで約80分。
小金井駅からの始発電車もあるため、座りながらのラクラク通勤も可能です。

市内には学校や病院、スーパーなどの施設が揃い、なかでも医療環境は自治医科大学附属病院をはじめとする総合病院やクリニックが充実。
18歳までの医療費無料など子育て支援も整った、安心して暮らせる環境です。

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基本データ

Basic data of shimotsuke

下野市
人口 59,648人
世帯数 25,547世帯
総面積 74.59㎢
東京からのアクセス
公共交通機関をご利用の場合
  • 東京駅~小金井駅:快速80分(上野東京ライン)
  • 新宿駅~小金井駅:快速76分(湘南新宿ライン)
自動車をご利用の場合
  • 東京都内~川口JCT~栃木IC~県道32号・44号~下野市街:約90分
イメージキャラクター
  • 下野市観光大使:「カンピくん」(道の駅しもつけイメージキャラクター)
  • 下野市観光大使:「瓜田 瑠梨」(ご当地アイドル「まろに☆え~る」のメンバー)
公式ホームページ https://www.city.shimotsuke.lg.jp/
シティプロモーション
専用サイト
https://shimotsuke-pr.jp/
UIJターン窓口
下野市総合政策部総合政策課

TEL:0285-32-8886
FAX:0285-32-8606
E-mail:[email protected]

FEATURE

下野市の魅力

下野市

POINT.01

独自の移住支援制度が充実

下野市には独自の移住支援制度が充実しています。
住宅の新築費用・購入費用の一部を補助する「定住促進住宅新築等補助金制度」のほか、市内での暮らしをイメージできる「市内オーダーメイドツアー」など、移住された方はもちろん、移住を検討されている方への支援制度もご用意しています。

下野市

POINT.02

安心して暮らせる「医療・健康のまち」

下野市は「人口1万人当たり 一般病床数」全国12位であり、医療環境が大変充実したまちです。
市内の中央部には、栃木県内で病床数第2位を誇る自治医科大学附属病院が立地し、地域医療を支えています。
自治医科大学附属病院のほかにも、総合病院から専門病院、クリニックまでさまざまな医療施設が集まり、子育て中も老後も安心して暮らせる環境が整っています。
また、厚生労働大臣認定の指定運動療法施設の保健福祉センターきらら館があるなど、健康維持のためのトレーニング施設も充実しています。

下野市

POINT.03

家族にやさしい子育て環境

下野市では子育てに関するさまざまな独自の取り組みがあります。
18歳までの医療費を無料としているほか、乳幼児の見守り訪問時におむつ券を交付する「しもつけっ子応援プロジェクト」や、未就園児がいる親が子どもを一時的に保育施設に預けられる「ママ・パパ リフレッシュ利用券」といったユニークな取り組みも。
コンパクトなまちながら、公園や児童館の数も多く、公園の数は県内でも上位です。
遊具だけでなく、スポーツ施設やバーベキュー場、キャンプ場などを利用できる公園もあるので、ご家族との時間をおもいきり楽しんでいただけることでしょう。

How to Enjoy

下野市の楽しみ方

Event Schedule

下野市のイベントスケジュール

下野市
3月

下野薬師寺跡梅まつり

4月

天平の花まつり

下野市
7月

しもつけかんぴょうまつり、エコライフまつり

8月

しもつけ燈桜会、国分寺地区コミュニティ盆踊り・花火大会、石橋納涼踊り花火大会

下野市
9月

グリムの森フェスティバル

10月

吉田村まつり、産業祭

11月

天平の芋煮会

下野市
12月

グリムの森イルミネーション(12~1月)

1月

天平マラソン大会、栃木のかんぴょう祭り

Support System

あなたにあった支援制度を活用!

下野市空き家バンク制度

下野市内の空き家を売却・賃貸したい所有者が空き家バンクに登録し、その空き家を購入・賃借したい方の申し込みを受け、所有者や仲介業者を紹介する制度です。

下野市空き家バンクリフォーム補助金

空き家バンクに登録された物件のリフォーム工事または家財処分を行った場合、費用の一部を助成します。
(要した経費の2分の1以内の額、上限はリフォーム工事:500,000円、家財処分:100,000円)

下野市永住促進保留地等購入補助金

保留地等を購入し、3年以内に自らの居住に供する住宅を新築する方に、1件50万円を補助します。
※定住促進住宅新築等補助金制度との併用は不可。

定住促進住宅新築等補助金制度

東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)から下野市内に住宅を取得し、5年以上定住することを誓約した方に、住宅の新築及び購入費の一部を補助します。
補助金額は、新築住宅の取得に対し30万円、中古住宅の取得に対し10万円です。居住地加算・若年世帯加算・子ども加算・空き家バンク加算あり(+10万円)。
※下野市永住促進保留地等購入補助金制度との併用は不可。

第3子以降3歳未満の保育料免除

第3子以降の3歳未満児の保育料を免除する事業を実施しています。

育児ママ・パパリフレッシュ利用券

市内に住所を有する在宅乳幼児(3か月~3歳未満)を保育している保護者の方が、美容室や買い物などでのリフレッシュ、冠婚葬祭、通院などのために乳幼児を一時的に預けたいときに保育園を利用できる利用券36時間分を無料で発行しています。

こども医療費現物給付対象年齢の拡大

県内医療機関における現物給付の対象年齢を18歳年度末までとしています。

下野市児童表彰条例

児童一人ひとりの良さを見出し表彰することで、児童に自信と誇りを持たせる取組を展開しています。
市長からメダルを、教育長から賞状を児童一人ひとりに手渡す制度で、合併前の旧国分寺町が全国で初めて導入しました。

ファミリエ下野市民運動

地域・家庭・学校が一体となり、市民総ぐるみで子どもの健全な成長を図る運動を展開しています。「ファミリエ」はドイツ語で「家族」を意味します。

英語検定の補助

市内の小・中・義務教育学校に在籍している児童生徒で、実用英語技能検定(英検)3級以上の受験生に対し、検定料の2分の1を毎年度1回に限り助成します。

下野市奨学金制度

  • 下野市奨学生(高等学校・大学等)
    高校・大学等に在学または進学予定の方で、経済的な理由により修学が困難な方に対し、修学資金や入学一時金を無利子で貸付しています。
  • 下野市緊急在学奨学生
    年度途中にやむを得ない事情により、家計に著しい影響を受けたため修学が困難になった方を対象に、一定の条件のもと奨学金の貸付を行っています。

奨学金償還一部免除制度

下記6つの条件のすべてを満たした下野市奨学金利用者を対象に、奨学金の償還の一部を免除します。
① 下野市奨学金の貸付を2年以上受けた方
② 在学する学校を正規の修業期間内に卒業した方
③ 最終学校を卒業した日の属する月の翌月から1年以内に下野市に居住し、引き続き5年間継続して居住している方
④ 上記③の期間に就業している方
⑤ 奨学金を遅滞なく償還している方
⑥ 市税の滞納がない方

学童保育

公設の学童保育室が全小学校を対象に開設。
小・義務教育学校1年生から6年生まで対応。
利用時間は、放課後~午後7時(長期休業中は午前7時30分から午後7時)。
月額6000円(おやつ代込。長期休業期間がある月も同額)。
土曜保育あり(月額2000円)。

小規模特認校制度

市内全域から入学ができる小規模特認校があります。地域との交流や自然とのふれあい等、特色ある教育環境の中で、学ぶことができます。

国際・国内交流事業

  • 国際交流事業
    ドイツのヘッセン州ディーツヘルツタール市と昭和41年から交流を続けており、昭和50年に姉妹都市協定を締結しました。
    3年に1度、中学生を姉妹都市に派遣し、ホームステイをしながら学校訪問や文化体験などを行う相互派遣事業を実施しています。
  • 国内交流事業
    香川県高松市とは平成13年から様々な交流を行っており、毎年夏休み期間中に、市内小学6年生が高松市を訪問しています。
    また、岐阜県本巣市とは、令和4年に淡墨桜がつないだ縁を礎とする友好都市協定を結び、相互交流を行っています。

下野市空き店舗活用事業奨励金

空き店舗を活用して事業を開始した事業者に、事業を開始した月から1年間、対象物件に係る賃借料(敷金、礼金その他これらに類するものを除く。)の2分の1に相当する額(限度額は60万円)を補助します。奨励金は6か月ごとの交付となります。

まちなか商店リフォーム補助金

店舗を営む方または空き店舗を利用して営業を開始しようとしている方が、店舗の機能を維持し、または向上させるための改装または改修もしくは改装に付随する設備の設置に対し、一定の条件を満たした場合に補助します。
①空き店舗開業者:補助率1/2,上限100万円
②既存店舗営業者:補助率1/3,上限50万円

しもつけ創業塾

創業を目指す方、創業間もない方等を対象に、創業の心構えから、会計の基礎知識やビジネスプランの作成まで、創業に関する総合的な基礎知識について習得する全7回の講座を実施します。

下野市中小企業融資制度

市内でこれから事業を始めようとする方、または創業して1年未満の中小企業者を対象に、速やかな創業と健全な事業経営を支援するため、創業資金および女性起業家創業資金制度を設置しています。

市内オーダーメイドツアー

移住希望者に対し、下野市の魅力を伝え、移住後の暮らしをイメージしていただくため、希望した内容に沿った市内スポットツアーを個別に実施します。

オンライン交流会

下野市のことや移住にあたり知りたいこと等について、地域おこし協力隊や市職員、先輩移住者と交流・相談できるオンラインイベント。移住支援制度の紹介や市内のオンライン中継等を実施。

移住相談窓口

下野市では、東京圏をはじめ県外から移住を検討されている方を対象に、移住に関する様々な情報の提供や個別相談を行っています。

移住者交流会の実施

就学や就職、結婚などを機に、市外や県外から引っ越してきた「移住者」の皆さんを対象に、移住後、移住者同士のつながりづくりや下野市の良さについて改めて感じていただくきっかけの場として、「移住者交流会」を開催しています。

下野市の先輩移住者の声

美容×福祉の可能性を私らしく追求したい

美容×福祉の可能性を私らしく追求したい

大坪 亜紀子(おおつぼ あきこ)さん

美容室ではなく美容屋 2022年3月末。地域おこし協力隊を卒業するタイミングで、下野市内にお店をオープンさせた。 オーナー兼スタイリストとして一人でお店を切り盛りする大坪さんは、『美容屋youi』という店名に自身の想いを込めた。 「ごはん屋さんが、イタリアンや定食屋などいろんなジャンルがあるように、美容室にもいろんなジャンルがあっていいんじゃない、って思ったんです。美容師として”髪をセットする場をつくること”で完結するイメージがなかったので、あえて美容室ではなく、美容屋と名付けました。youi は”You”&”I”、あなたと私。意味よりも言いやすさを重視しました」 高齢者でも覚えやすく、馴染みやすい店名にしたかったという。非常に悩んだという店名は、協力隊として活動を支えてくれた多くの人たちにも相談しながら決めた。 店舗探しについても、いくつか条件を持って見つけた。 「車椅子の方でも来店しやすいように、1階であること、介護車両でも乗り付けられることは絶対条件でした。空きテナントだけでなく、事業継承の観点から市内の空いていそうな美容室などにもアプローチしましたね。3〜4ヶ月かけて市内を探しまわり、最終的にこちらの物件に決めました」 そう語る大坪さんだが、もともと福祉に興味があった訳でも、介護の経験があった訳でもない。 美容師から未知の分野へのチャレンジ 地元、北海道の高校を卒業して東京の美容専門学校へ。それからは美容師一筋で歩んできた。 「年を重ねるごとに自分の美容師としての目標を達成していき、30代半ばには”もう東京にいる必要はないな”と思うようになりました。むしろ東京以外の場所で、美容以外の知識を身につけたいなって。でも美容師しかやってこなかった自分に、異業種での就職は難しいだろう・・・とモヤモヤしていた時に、地域おこし協力隊という働き方を知り“これだっ!”と思いました」 東京からの距離感や、活動内容を考えた際に興味を持ったのが下野市だった。 実際に現地を訪れ、市役所の担当者とも話をし、応募を決意。2019年4月、大坪さんは下野市地域おこし協力隊として、この地で新たなチャレンジをすることになった。 活動のミッションは、市内の観光資源を連携させた周遊型観光の企画やS N Sを活用したプロモーションなど。市内の観光地のひとつである天平の丘公園に拠点を置きながら、イベントやツアーの企画運営、市内の情報ポータルサイトを制作するなど、さまざまな活動に取り組んだ。 「着任当初、天平の丘公園では毎週のようにイベントが開催されていて、主催者や出店者との繋がりは、その後の協力隊活動にもさまざまな場面で活かすことができました。公園内にはカフェや、ゆっくりくつろげるスペースもあります。スタッフメンバーとは今でも仲良くしていて、休日にはたまに遊びに行きますよ。」 この時に関わりのあった方の多くが、今はお客さまとして大坪さんのお店に足を運んでくれているという。 また、登山が趣味という大坪さんにとって、栃木県に住むことで山が身近になったことも嬉しいという。下野市で出会った山仲間とともに、休日には北関東の山へ行くこともしばしば。 「ゆかりのない土地であっても、多くのお客さまや仲間に支えられているのは、協力隊としてのつながりがあったからこそ。美容の世界にいたら知り得なかったこと、出会えなかった人たちがここにはいます。それだけでも協力隊になってよかったし、下野市に来てよかった、と思えますね」 これまで縁のなかった福祉の世界へ 天平の丘公園でのイベントでは、大坪さんが『美容屋youi』を立ち上げるきっかけとなる出会いもあった。 下野市内で介護付有料老人ホーム『新(あらた)』の施設長をしていた横木淳平さんだ(現((株)STAY GOLD company代表取締役)。施設内にあるカフェがイベントに出店する際、横木さんも出店者として参加していた。 話をする中で「入居しているおばあちゃんの髪を切ってもらえないかな?」と相談された。退院が決まった100歳のおばあちゃんに、何かプレゼントがしたい。おめかしが好きな方なので“髪を切ること”をプレゼントにできればと思いついたとのことだった。粋な相談に、大坪さんは快諾。 後日、施設で髪を切るとおばあちゃんに大変喜ばれ、それ以降、定期的にカットの依頼を受けるように。当初は大坪さん自身も介護美容の経験を積むためにボランティアで髪を切っていたが、そのお礼にとランチをご馳走してもらいお喋りを楽しんだ。 ふと、「お客さまとこういう関係づくりってできるんだ」と気づいた。 「東京で美容師をしていた頃は、忙しいこともあってお客さまと個人的な関係づくりってしてこなかったなぁって。それが下野市では自然にできていて。地域で美容師をすると、こういう良い部分もあるんですよね」 その後、大坪さんの腕の良さは口コミで広がり、次から次に「私の髪も切ってほしい」という依頼が来るように。 そうした活動を、“give to”と”gift”を掛け合わせた造語で、大切な人へ“髪を切ること”をプレゼントしてほしいという想いから『giveto(ギブト)』と名付けた。 施設内には髪を切るためのスペースも作られ、入居者専用の美容ルームとして利用されている。 「協力隊1年目の終盤から、プライベートでgivetoの活動をスタートさせました。徐々に形となっていったことで、2年目の後半には“やはり私は美容の道を進んで行く”と決意したんです。そこから、協力隊×美容×福祉を掛け合わせた活動をするようになりました」 下野市社会福祉協議会と連携し、高齢者の見守り活動や美容講座なども活動の一環として関わるようになった。 「これまでとは違う、新しい形での美容の道が、少しずつ切り開かれて行く手応えを感じていました」 新しい訪問美容の形を、下野市から広げていく 協力隊として3年目、givetoが形になりつつある中で、卒業後の自分の進路についても強く意識するようになった。 当初は、givetoの活動を継続する形で月の半分は下野市、残り半分は東京の美容室で働こうと考えていた。 「でも、地域に求められるサービスを提供して行こうと思いながら、しっかり地域に根ざさないのはやっぱり違うな、と思って。その時ふと、“自分のお店を持とうかな”と思うようになったんです」 東京にいた頃は、自分の店を持つことの大変さを知っていたので、全くその気はなかった。しかし、下野市であればそれができるのでは、と感じた。 それからは市内を巡って物件探し。やっとの思いで出会ったのが現在お店となっている物件だ。 「内装については、車椅子の方でも入店できるか、車椅子でも店内を余裕をもって移動できるか、高齢者の方でもゆったり座って寛げるソファか、お手洗いは介添の方がいても利用しやすいか、など、実際に横木さんに車椅子を持ってきてもらい、相談しながらレイアウトを決めました」 ただ、バリアフリーを全面には出しすぎず、来店する誰もが心地よい空間をつくれるかも大切にした。 「最初はお子さんが髪を切りに来て、そのあとはママ、それからおばあちゃんといった流れもあるんです。どなたにでも気軽に利用いただくことで、まだこういうお店があることを知らない人たちにも知ってもらえる機会は増えると思います」 大坪さんの目指すところは、「“美容室”と“既存の訪問美容”の中間」だという。 「訪問美容は福祉サービスの一環として既に存在していますが、施術スピードであったり、シャンプーしやすい髪型か、などが優先される部分があるので、髪型を楽しみたい方にとっては満足できていないのではないかと思うんですよね。年齢関係なく、女性は美容への意識があります。いつまでもキレイでいたい、という高齢者の方に、私を知ってもらえたら嬉しいですね」 訪問美容の認知度は高まってきてはいるが、まだまだ提供者は少なく、選べるほどのサービスが充実していないのが現状だという。 「訪問しただけで感謝されることが多いです。でも本来は訪問したことではなく、仕上がりに満足したことで初めて感謝されるものなんですよね。現状、“福祉的なサービス”というイメージを持つ訪問美容ですが、いくつになってもおしゃれを諦めなくて良いんだ、と思えるサービスにしていきたいです」 そして、その先に目指すものは− 「できればお店に来ていただきたいんです。こういう空間で髪を切ることで特別な気分を味わえますし、そうするとおしゃれ魂に火が付くんですよ。最初は鏡も見なかったお客さまの背筋が、だんだん伸びてきて。美容が皆さんの心の健康に繋がれば、と願いながら、これからも髪を切っていきます」

変化を受け入れ、新たな試みも

変化を受け入れ、新たな試みも

児珠大輔さん

移住の決め手は通勤のしやすさだった 下野市へ移住するまでは、埼玉県狭山市から東京都品川区のオフィスまで約2時間かけて通勤する日々。 こまめな乗り換えが多く通勤ストレスを抱えていたことと、IT企業で働いているため「いずれはテレワークになるだろう」という思惑もあり、「家を建てるときは地方でも良いかもしれない」との想いは長年あった。 自身は埼玉県の生まれだが、両親の転勤で中学から大学卒業までは宇都宮市で過ごした。また、奥様の出身は栃木県。土地勘のある栃木県は、必然的に移住候補地のひとつだった。 移住先を決める上でのポイントは、「通える範囲であることと、通勤のしやすさ」。埼玉県内のターミナル駅や宇都宮線、高崎線沿線などを候補に挙げたが、最終的に選んだのは下野市。始点・終点にもなる「小金井駅」があることが最大の魅力であった。 「宇都宮線は“小金井止まり”という電車も多く、都内からでも下野市までであれば本数は結構多いです。」 移住により通勤ストレスが軽減されたものの、埼玉県から栃木県に移住したことで、同僚は「通勤、大変じゃないのか」と気にかけてくれるようになった。 「通勤時間で言えばそれほど大きな変化はないのですが、埼玉県から通勤していた時は乗り換えが多くて、まとまった時間が取れなかったんです。座れないことも多く、とにかく通勤が苦痛でした。下野市からは乗り換え無しで通勤できるので、読書したり、映画を観たり、睡眠が取れたり。時間を有効活用できるのが嬉しいですね」 テレワークで変化した、仕事環境とライフスタイル 下野市からの通勤は苦ではなかったと話す児珠さん。2020年3月末までは毎日オフィスへ出社する日々が続いていた。 しかし、東京都で緊急事態宣言が発令される直前に、状況は一変。完全にテレワーク生活となった。 「栃木から通勤していた自分に限った話ではなく、全社員がテレワークになりました。幸い、我が家には自室があったので、そのまま仕事部屋になりましたが、都内に住む同僚たちは部屋数が限られる人も多いので、家族との折り合いは大変そうですね」 そんな児珠さんにも、テレワークを機に買い足したアイテムが2つある。 情報漏洩を防ぐためのヘッドホン、そして背景用のグリーンバックだ。テレワーク当初は、毎朝グリーンバックをセットするところから仕事の準備が始まったという。 また、作業環境を整えるために、長年取り付けたいと思いつつ後回しになっていたキーボードスライダーをDIYで設置した。これにより、作業効率がアップ。 「もっと早く設置すればよかったのですが、毎日使うデスクではないのでなかなか重い腰が上がらなかったんですよね」と苦笑い。デスク周りの環境を整えられたことも、テレワークを機とした変化のひとつである。 そして、テレワークによってもたらされた生活面での変化も。 また市役所の上司も「1年目は、まず地域のことをしっかり知ることが目標。くらいの気持ちで活動してみて。」と優しく見守ってくれた。 そのような環境だったからこそ、疋野さんも安心して、地域に入っていくことができたという。 そうした中で、力を入れて取り組んだのは女子旅ツアー。旅行会社での経験を活かし、栗山地域に人を呼ぶ企画を考えた。また、都内の大学生に来てもらい、地域を巡って名所や暮らす人たちを紹介する冊子『あがらっしぇ栗山』を製作。(※「あがらっしぇ」とは「あがっていきな、寄っていきな」というニュアンスの栗山地域の方言)いずれも好評を得て、成果を感じられたという。 これまで1時間40~50分ほどかかっていた通勤時間を、そのままウォーキングの時間に充てたことだ。 下野市に移住して2年ほど経った頃から、生活習慣の改善としてウォーキングをはじめたが、当初はそれほど長い距離ではなかった。しかし、テレワークをきっかけに距離を伸ばし、今では毎朝8kmほど歩いているそう。 「毎日歩いていると、季節の変化を感じられるんですよ。夏は田んぼの稲が少し伸びたな、とか。秋だと葉が色づきはじめたな、とか。純粋に自然を楽しんでリフレッシュすることが多いですが、今日仕事でこなしたいタスクなど、始業前に頭の中を整理する時間でもあります」 歩くことは週末も欠かさない。お子さんも一緒に歩いてくれることは、週末だけのウォーキングの楽しみだからだ。 テレワークで大切なのは同僚との信頼関係 朝6時に起床。ウォーキングと朝食を済ませ、8時50分には自室のデスクへ。正午に1時間の休憩をはさみ、18時~19時に仕事を終えるというのが現在のワークスタイル。 オフィスへ出勤していた頃と比較して一番大きな変化は、終業時間が2~3時間早まったことだ。 「自宅だと、自分でやらなければいけない作業に集中できるので、とても捗ります。会社だと、誰かに声をかけられると作業が中断してしまうので。一人で取り組む仕事が多い場合、テレワークは本当に良いなと感じています」 逆に、デメリットについては、「他の人と連携して取り組まねばならない仕事はスムーズにいかなくなった、と感じています。隣の席にいればちょっとしたことでもすぐ聞けたことが、できなくなった。あとで聞こうと思って、そのまま忘れてしまうことも。長期的プロジェクトだと、些細なことがあとで大きなトラブルにもなりかねないので、その点は気をつけなければと思っています」 完全にテレワークが始まった2020年3月末以降、同僚のサポートもあり2回しか出社していないという児珠さんだが、出社をした際に、やはり同僚と直接顔を合わせてコミュニケーションが取れる時間もいいな、と感じたという。 「贅沢なわがままかもしれませんが、本音を言うと、月に2~3回くらいは出社するスタイルが、自分には一番合っているかもしれません」とはにかむ。それも下野市からの通勤に苦痛がないからこそ思えるのだ、とも。 テレワークをうまく実践するための、児珠さん流のコツを聞くと、 「見られていない分、しっかり仕事して結果は出さないといけない。わからないことは誰かに聞いて、すぐに解決する。結局テレワークは”信頼関係”によって成立するものだと思うんです。一度でも相手を疑ってしまうと、関係がギクシャクしてしまう。そうなると、仕事もうまくいかなくなってしまいますから」 テレワークを通じて見つけた、 自分の住むまちでやりたいこと 下野市で過ごす時間が増え「自分も何か地域に貢献できないか」と意識するようになったという。 まずは地域のイベントに参加してみようと、情報を探していた時に見つけたのが、下野市が開催していた「しもつけクエスト」だ。 関係人口の創出や、まちづくりに関わる人材の育成を目的としたもので、児珠さんはそこで市役所の職員、市内で活動する若手プレイヤーなど、多くの出会いを得た。 「やりたいことは、どんどん発信しないとできないよ!」。イベントのプレゼンターが発したこの言葉が、児珠さんの背中を押した。 「自分には、仕事を活かしたパソコンのスキルがある。例えば子どもたちにスマホの使い方を教えたり、おじいちゃん・おばあちゃんが遠方に住む孫とテレビ電話ができるようにサポートしたり、地域の為にできることはあるんじゃないかと思っています。今後は、そういった自分のスキルを発信し、まちに貢献できる人になりたいですね」と力強く語った。 テレワークを通じて、またこのまちに新たなプレイヤーが現れようとしている。そう感じた瞬間であった。

ぼくはこの吉田村が大嫌いだった

ぼくはこの吉田村が大嫌いだった

伊澤 敦彦さん

素材の持ち味を、最大限にいかしたジェラートを 「正直にいうと、ぼくはこの吉田村が大嫌いだったんです」 どこまでも続くのどかな田園風景や、夜空に広がる満点の星は美しく、子どものころから好きだった。けれど、最寄り駅まで自転車で30分以上かかる不便さや、近くに飲食店や商業施設などが何もない環境にたえられず、伊澤さんは高校を出てすぐに東京のデザイン学校へ。卒業後も都内でデザイナー・アートディレクターとして8年間、グラフィックやWebの制作に携わってきた。 そんな伊澤さんが地元に戻る決意をしたのは、いちご農園を営む父親が、近くにオープンする道の駅でジェラート店を開こうとしたことがきっかけだった。 「父の計画では、どこの田舎にでもあるようなお店になってしまいそうで。いちご農園がジェラート店をやるのであれば、『どこよりもおいしい、いちごのジェラート』を出さなければ意味がない。そのためには、自分がやるしかないと思ったんです」 それから伊澤さんは、都内の名だたるジェラート専門店を訪ねて回った。そのなかで、東京・阿佐ヶ谷にあるジェラートの有名店「Gelateria SINCERITA(ジェラテリアシンチェリータ)」の門をたたく。 「素材のよさを最大限に生かすという考え方に強くひかれました。ジェラートは、材料の配合バランスが命。素材のおいしさを引き出すためには、糖分や乳脂肪などの質や量を綿密に計算し、その素材に合った最適な配合にすることが大切です。『Gelateria SINCERITA』でジェラートづくりの本質を学べたことは、本当に幸せでした」 2011年3月「道の駅しもつけ」の開業とともに、ジェラート専門店「GELATERIA 伊澤いちご園」はオープン。ショーケースをいろどるのは、常時15種類から20種類ほど用意されるジェラートだ。その素材は、県内外問わずいいものを厳選して使用。たとえば、ブドウは栃木市大平町のブドウ園から、りんごは長野のりんご園からと、伊澤さんは生産者に直接会って仕入れることを大切にしている。 「いい素材には、それぞれの生産者の思いが詰まっています。ぼくはその思いを大切に受け継ぎながら、おいしさや素材感を高めたジェラートとして提供していきたい。ブドウよりもブドウらしい、りんごよりもりんごらしいジェラートをつくり、生産者をヒーローにすることが、いちごの生産者でもある自分の責任だと思うんです」 現在、伊澤さんは父親とともに、いちごの栽培にも携わっている。「伊澤いちご園」のいちごは、ハウスで完熟の一番おいしい状態に育てたうえで、出荷されるのが特徴。そのためには、徹底した温度管理とスケジュール管理が欠かせない。伊澤さんは、これまで父親の経験に頼ってきたその技術をすべて数値化。栽培の要点を、いち早くつかもうと努めている。一方、父親も、適度な酸味があり加工品に適した「女峰」という品種を新たに栽培するなど、伊澤さんの取り組みを応援している。 地元を快適な居場所に、自分たちの手で 2014年5月、伊澤さんは旧吉田村にイタリアンカフェ・バール「L'ape Ronza(ラーペロンツァ)」をオープンした。そのきっかけは、高校の後輩であり、ジェラート店を手伝っていた伊藤美琴さんや父親と、飲みながら「伊澤いちご園」の将来について語り合ったことだった。 「ジェラートは、どうしても冬場に売上が下がってしまう。だから、ジェラート店にカフェを併設したい」と漠然と考えていた伊澤さんに対し、都内のフレンチやイタリアンなどのレストランで経験を積んできた伊藤さんは「イタリアの農村にあるような、地域に根ざしたレストランができたら素敵だよね」と語った。すると「使われていない、あの農協の建物がいいのでは!」と父親。翌日、みんなでその建物を見にいくことに。 「築50年ほど経った無骨な鉄骨の事務所や、大谷石でつくられた石蔵を見たとき、お店のイメージが一気に膨らんできました。『吉田村に飲食店がないなら、自分たちでやるしかない』と考えていたこともあり、イタリアンカフェ・バールを開く決意をしたんです」 大谷石の石蔵を、たくさんの人が集う場所に 2015年10月4日、「L'ape Ronza(ラーペロンツァ)」の前の敷地には、栃木や茨城にあるカフェの有名店をはじめ、古道具店や花屋、農家などが集まった。「吉田村まつり」の会場は、各ブースから漂うおいしそうな香りや、アイリッシュバンドが奏でるメロディ、そして多くの笑顔で満たされていた。 地元の旧吉田村にイタリアンカフェをオープンし、マルシェも成功させた伊澤さんに「この街が、だんだん好きになってきたのでは?」とたずねると、返ってきたのは「まだまだですね」という言葉だった。 「まだ、このイタリアンカフェが一軒、オープンしたにすぎません。これからは、カフェの向かいに建つ大きな石蔵を改装し、パン屋や花屋など、いろんなお店が出店できる場所にするのが目標です。ぼくはこの吉田村を、住む人が誇れる街にしていきたい。わざわざ友だちを呼びたくなるような、子どもたちがずっと住み続けたくなるような、何よりもここに暮らす自分たちが快適に過ごせる街に」 何もないからこそ、可能性はあふれている 中学や高校のころ「何もない」と感じていた地元には、じつはたくさんの魅力や可能性があることを、いま伊澤さんは実感している。 「豊かな田畑、おいしい野菜、あたたかな人々。何もないからこそ残る、のどかな田舎の風景は、首都圏の人たちの目にきっと新鮮に映るはずです。栃木県内には、吉田村のような地域が数多くある。UIターンした人たちが新たな視点で地域の魅力を掘り起し、培ってきた能力をいかして、これまでにない仕事を生み出せる可能性はあふれています」 伊澤さんが「吉田村まつり」を始めたのは、豊かな田舎の風景が残るこの地域の魅力を、県内外にアピールするのも狙いの一つだという。 「ぼく一人でできることは限られている。だから、活気あふれる吉田村の“青写真”を鮮明に描くこと、常にそれを発信し、多くの人を巻き込むことが大切。それこそが自分の役割だと思うんです。“青写真”には、たくさんの人に色をつけてほしい。いろんな個性が集まったほうが、きっと魅力的な地域が実現できるから」 いま旧吉田村では、伊澤さんの思いに共感した設計士やデザイナーが参加し、石蔵を人が集う場に再生する「吉田村プロジェクト」が動き始めている。東京から地元に戻って5年。伊澤さんの思い描く“青写真”が現実になる日は、きっともうすぐそこだ。

県南エリアのほかの市町村

野木町

コンパクトな中に魅力が光るまち、野木町

野木町

壬生町

子どもも大人も夢中になれる
おもちゃのまち、壬生町

壬生町

栃木市

新たな暮らしに
チャレンジしやすいまち、栃木市

栃木市

足利市

穏やかな自然に
歴史や文化が息づくまち、足利市

足利市

佐野市

ラーメンだけのまちじゃない、佐野市

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