益子町空き家・空き地バンク制度
現在使用していない住宅や店舗、空き地を所有し、売買や賃貸によって空き家・空き地の活用をお考えの方から提供された空き家・空き地情報をホームページ等で公開し、移住、都会との二地域居住、起業等を希望する方に幅広く情報を紹介するシステムです。
栃木県南東部に位置する町で、芳賀郡に属する、益子町。中心部から少し足を延ばすだけで、懐かしさを感じる里山の景色が広がります。
冬・春はイチゴ狩り、初夏にはあじさい、夏にはブルーベリー狩りやひまわり畑、秋には実った田んぼの眺めやコスモス畑、芋掘り、りんご狩り、ぶどう狩りなど、味覚や景色で四季を味えます。
陶芸や工芸、農業を中心に、土地の風土に根ざした生業と暮らしが穏やかな時間の中で過ぎゆくまちです。
Basic data of mashiko
人口 | 21,042人 |
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世帯数 | 7,851世帯 |
総面積 | 89.4㎢ |
東京からのアクセス |
公共交通機関をご利用の場合電車
高速バス
自動車をご利用の場合
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イメージキャラクター | マシコット |
公式ホームページ | https://www.town.mashiko.lg.jp/ |
UIJターン窓口 |
益子町移住サポートセンター(道の駅ましこ内)TEL:0285-72-5530 益子町企画課TEL:0285-72-8828 |
良質な陶土が産出されることから江戸時代末期に始まったとされる、益子焼。
主に鉢、水がめ、土瓶といった日用品の産地として発展しました。1924年に移住した濱田庄司が柳宗悦らとともに民芸運動を進めると、益子焼は芸術品としての側面も持つように。
現在では、窯元は約200、陶器店は約50。陶芸を目的に移り住む人も絶えません。
春のゴールデンウィークと秋の11月3日前後に開催される陶器市には多くの観光客が訪れます。
益子町内には、おしゃれなカフェやパン屋さん、そば屋さんなど、たくさんの飲食店が店舗を構えています。外食の選択肢で困ることはありません。
イチゴやブルーベリー、ぶどう、野菜など益子町産の採れたての新鮮な素材を使用した食事は、里山ならではの贅沢。
新鮮な農産物は、道の駅ましこなどでも気軽に購入いただけます。
鎌倉・室町時代まで遡る貴重な文化財が点在する、益子町。
町の中央・高舘山にある西明寺は国指定重要文化財の楼門や三重塔、非常に珍しい笑い閻魔大王など、見どころが多いスポットです。
大羽の里は、国指定重要文化財である地蔵院・綱神社・大倉神社が静かに鎮座します。また、町北部の七井地区にある円通寺の表門も国指定重要文化財となっています。
令和2年度には、これらの文化財や陶芸の里としての歴史的魅力や特色が評価され、茨城県笠間市と共同申請したストーリー「かさましこ~兄弟産地が紡ぐ“焼き物語”~」が日本遺産に認定されました。
小宅古墳群 菜の花・桜まつり
益子陶器市
太平神社あじさい祭り(~7月)
手筒花火、祇園祭
ひまわり祭り、益子夜市
益子さんぽ市
コスモス祭り
町民まつり、益子陶器市
益子焼初売り
現在使用していない住宅や店舗、空き地を所有し、売買や賃貸によって空き家・空き地の活用をお考えの方から提供された空き家・空き地情報をホームページ等で公開し、移住、都会との二地域居住、起業等を希望する方に幅広く情報を紹介するシステムです。
町内に定住するために住宅を新築または建売住宅を購入した40歳未満の者に奨励金を支給。 奨励金額:25万円
町内に移住・定住するために住宅を取得した方(40歳未満)に奨励金を支給します。
<対象住宅> 令和3年4月1日~令和8年3月31日までに新築または建売住宅の購入により取得した住宅
<奨励金額> 一律25万円(加算額無し)
中学生以下の子がいる40歳未満の子育て世帯に対し、町内の民間賃貸住宅に新たに入居した場合の家賃の一部を補助。
補助額:月ごとの実質家賃(住宅手当等を差し引いた金額)の1/2(上限2万円)
令和3年3月1日以降に新たに町内の民間賃貸住宅に転入・転居した若年子育て世帯、もしくは、新たに子育て世帯となった町内の民間賃貸住宅に住所を定めている若年世帯に対し家賃を補助します。
※ 若年子育て世帯とは、民間賃貸住宅に居住する借主が40歳未満で、中学生以下の同居する子がいる世帯。
<補助額> 月ごとの実質家賃(住宅手当等差し引いた金額)の1/2(上限2万円)
<交付期間> 対象となった日の属する月の翌月から24か月
所得合計額が500万円未満で婚姻時の年齢がともに39歳以下の新婚夫婦に、住居取得やリフォーム費、家賃、引越費用の 一部を助成。
補助額:上限30万円 ただし婚姻日において夫婦ともに29歳以下の場合は、最大60万円
1.令和5年3月1日から令和6年3月31日までの間に婚姻届を提出し、受理された夫婦の世帯
2.夫婦の令和4年(2022年)中における所得の合計額が500万円未満(世帯年収約660万円未満に相当)であり、婚姻時の年齢が夫婦とも39歳以下の世帯
・貸与型奨学金(公的団体又は民間団体より、学生の修学や生活のために貸与された資金)の返済を行っている場合、
新婚世帯の所得額から貸与型奨学金の年間返済額を控除して得た額。
3.補助金の申請及び交付の日において益子町に住所があること
4.他の公的制度による家賃補助等を受けていないこと
5.過去にこの制度による補助金を受けていないこと
6.町税を滞納していないこと
7.補助金の申請日より5年以上、継続して本町に居住する意思があること
住宅用太陽光発電システムを設置する方にその費用の一部を補助します。
補助額 〈パネル〉1kwあたり1万円(4万円上限)
〈蓄電池〉事業費の10%を補助(上限8万円)
〈電気自動車等充給電システム(V2H)〉事業費の10%を補助(上限8万円)
※〈蓄電池〉と〈V2H〉はどちらか1つのみ
住宅用木質バイオマスストーブを設置する方にその費用の一部を補助することで、エネルギーに対する関心を高め、このような新エネルギーの普及促進を図ります。
補助額 設置に20万円以上を要した場合に1/10以内(5万円上限)
昭和56年5月以前に建築された木造住宅に耐震診断・耐震改修(建替え)費用を補助しています。
補助額 耐震診断費用の3分の2以内(上限6万4千円)、耐震改修費用の5分の4以内(上限100万円)
浄化槽、宅地内処理設備を設置する方にその費用の一部を補助します。
補助額 浄化槽本体設置費:5人槽 33万2千円以内、7人槽 41万4千円以内、10人槽 54万8千円以内、敷地内処理装置設置費:10万円以内
妊娠の届出をした月の初日から出産した月の翌月の末日までの妊産婦を対象に、病気やケガなどで医療機関に受診した場合の医療費の自己負担額を助成します。
母子手帳を交付された妊産婦を対象に、健康診査費用を助成します。
出産までの経済的負担の軽減を図るため、妊娠22週を経過した妊娠中の方に支給します。 支給額 胎児1人につき3万円
平成30年4月1日以降に産まれた赤ちゃんの新生児聴覚検査に係る費用を助成します。
助成額 赤ちゃん1人あたり上限5,000円
平成31年4月1日以降に出生した0歳児に対し、紙おむつ等購入費用として2万4千円分のましこスマイル通貨(地域通貨)を助成します。
18歳までの子どもがいる世帯に対して、毎年子ども1人当たり1万円分の「子育て応援手当」としてましこスマイル通貨(地域通貨)を支給します。
さらに、小学校入学準備年は3万円、中学校入学準備年は5万円に増額。
出生日(または転入日)から18歳(18歳に達する日以降の最初の3月31日)までの方を対象に、病気やケガなどでお医者さんにかかった場合、保険診療が適用された医療費の自己負担額を助成します。
0歳~5歳までのすべての子どもの保育料を無償化します。また、3歳~5歳の子どもについて、所得等にかかわらず第2子が誕生したら(生まれている場合も可)、翌月から第1子以降の副食費(おかず・おやつ代)を免除します。
平成27年4月1日以降に出生した子を対象に、6歳未満の児童が使用するチャイルドシート等の購入費を一部補助します。 支給額 上限1万円(費用の1/2相当額以内)
子育て中の親子が気軽に集まり、情報交換や子育て相談等が行える室内の遊び場として開設しています。
世代を超えて楽しめるイベントやNPプログラム、応急処置の講習会等も定期的に開催しています。
町内の放課後児童クラブ(学童クラブ)の利用料を一部助成します。
助成額 放課後児童クラブ利用児童1人につき、支払った「月額利用料」ひと月あたり2,000円
育脳プログラムとは、年齢に応じた、学習だけでなく運動を取り入れたプログラムです。
0~3歳では「本能を磨き心が伝わる脳」を、3~7歳では「勉強やスポーツが出来る脳の土台」を、7~10歳では「自ら学ぶ脳」を、
10歳以降では「才能を発揮する脳」を育てることを意識したものとなります。
家庭での教育の参考にしていただくだけでなく、子育てに関するさまざまな事業の基礎として活用します。
ALT(外国語指導助手)による外国語活動を、すべての小学校において1年生から行っています。
外国語に慣れ親しむこと、友達とコミュニケーションを取ること、外国の文化や生活習慣など国際理解を深めることを目的としています。
キャンプや自然観察などの野外活動や、実験や工作などの創作活動、イングリッシュセミナーなどの体験活動を年間通して行う「ましこいきいきトライやるスクール」を開催しています。
町立中学校に就学する生徒を対象に、公益財団法人日本英語検定協会主催の実用英語技能検定の検定料の全額を補助します。
町内学校に在学する中学2年生を対象とし、友好都市であるイギリスのセント・アイヴスやロンドンに派遣しています。
本事業は、ホームステイや外国の風土や歴史・文化を見聞、また、現地の人々との触れ合いを通して、豊かな国際感覚と郷土愛を持った青少年を育成することを目的としています。
次代の益子焼産地を担う若手作家の支援を目的として、住家の家賃や作陶に必要な設備の賃借及び導入費用を補助します。
補助額:家賃の1/4以内、設備の賃借料の1/2以内(ともに上限12万円/年、36か月以内)、設備導入の場合は費用の1/2以内(上限50万円)
企業誘致に様々な優遇制度を設けて、新規企業の誘致及び雇用確保等を図る制度です。
求職者を対象としたセミナーや町内企業合同就職面接会を開催しています。
町内において、起業し、事業所を新設する方に対して事業費の一部を補助。
(1)新規起業準備補助金 限度額100万円(初期投資経費の1/3以内)
(2)事業所賃借料補助金 限度額72万円(家賃の2分の1以内、限度3万円/月、24カ月以内)
35歳未満の若年者の正規雇用拡大と、地元への定着を支援するため、企業と若年者へ奨励金10万円を交付します。
町内中小企業の必要な資金の融資を促進し、その本質の改善と経営の合理化を図ります。 貸付限度額 設備資金・運転資金1,500万円以内
新たな農業の担い手を確保し地域農業の振興を図るため、新規就農者等に対し補助金を交付。
(1)家賃補助 補助額:月額家賃の1/2以内の額(上限2万円、3年以内) (2)農業機械等導入費補助 補助額:1/2以内(上限100万円)
(3)種子・種苗購入費補助 補助額:1/2以内(対象者1人に対し上限5万円)
農業用ビニールハウスおよびトンネルの資材等購入費が5万円を超えた場合に補助。 補助額 補助対象事業費の2分の1以内(上限20万円)
益子町の農業の担い手や支え手となることを目的とし、本格的な野菜栽培の技術・知識の基礎を学びなが ら益子の暮らしや文化を体感できる社会人向けの就農カリキュラム。
移住希望者を対象にオーダーメイド型の町内ツアーを個別に企画・開催します。
移住希望者向けのお試し移住ができる施設を設置しています。
利用対象者:益子町外に住民票があり、益子町へ移住を検討している方
1棟(益子町大沢)1ヶ月30,000円
各種スポーツ教室を年間を通じて開催しています。年会費 一般5,000円、中学生以下、65歳以上4,000円(種目によっては参加料が別途かかります)
ましこのコンシェルジュが、益子町に移住を検討されている方をサポートします。益子町に立ち寄った際には、お気軽にご相談ください。
仕事や住まいの希望など、お悩みや疑問についてお伺いし、可能な範囲で収集した情報によりお応えします。
電話予約により、乗り合いタクシーが複数の方を乗降場所の戸口から、町内のそれぞれの目的地の戸口まで送迎します。
利用には事前に会員登録が必要(登録料無料)。利用料金は一回につき300円。毎日8便運行。
池田 絵美(いけだ えみ)さん
「移住=永住」と重く考えずに、まず自分のありたい姿に素直に向き合うこと 今回、益子の暮らしについて教えてくれたのは、ベーカリー「Natural Bakery日々舎(にちにちしゃ)」を営む池田さん。 自家製酵母と国産小麦をベースにした、毎日丁寧に焼かれるパンやベーグルは、地元民の食卓を支えているのはもちろん、県内外から訪れる常連も多く、閉店時間前に売り切れてしまうほどの人気ぶりだ。 東京から移住してお店を構えた池田さんだが、「ここで開業しよう」と最初から考えていたわけではないという。 「益子に住む前は、渋谷でオーガニックカフェの調理の仕事をしていました。“健康でナチュラルな料理を追求して行きたい”と思っているのに、忙しすぎて余裕のない、自分の暮らしに矛盾を感じていたんです。そんな時、プライベートで度々訪れたのが益子。自然が身近にあり、自分たちの手で丁寧に暮らしを作っている様子や、地に足がついた営みに惹かれていきました。」 スタッフ募集をしていたギャラリー&カフェ「starnet」の門をたたき、2006年に移り住むことを決意。数年で東京に戻るつもりで移住したものの、土地に馴染んでいくにつれ離れられなくなった池田さん。その後、結婚・出産を機に2年ほど育児に専念し、縁があって益子町観光協会に勤めることになった。 「観光協会のホームページの記事を書くために、ものづくりに打ち込む魅力的な人々に会い、たくさん刺激をもらいました。そこから、日々舎をオープンしたのは2014年。当時からお世話になっていた宿泊施設『益古時計』のオーナーが、施設の敷地内にある物件を紹介してくれました。そこにはパンが焼けるオーブンもあり“これは今なのかな”と。自分の構想では、開業はもう少し先だったのですけどね。」 「移住=永住」と重く考えずに、まず自分のありたい姿に素直に向き合うこと。 ひとつ前に進むことがその先の未来へ繋がる、という経験をした池田さんの話に、たくさんのことを教えてもらった。 移住者を温かく受け入れ、人と人とが繋がる土壌 池田さんが移住してわかったのは、益子特有の自由で開放的な気風があることだ。 「古くからの伝統や文化がある町ながら、陶芸を志す人を昔から受け入れてきた積み重ねがあるので、閉鎖的な雰囲気は全くなく、移り住む人の活動を見守る懐の深さがあります。その寛容さも益子の魅力のひとつかもしれません。」 そんな空気感に惹かれるように、今でも新たな人や店が集まって来る益子。 仕事や暮らしに焦点がいきがちだが、家族の形態が変化していったとき、子育て環境としてはどうだったのだろうか。 「私が育児をスタートした頃は『Nobody’s Perfectプログラム』という、子育て中の親を支援する取り組みがちょうど始まった年でした。育児の悩みを相談しあえる場ができ、初めてママ友という繋がりができました。友人の中には陶芸家も多く、彼女たちは時間を自由に使えることもあって、店仕事が忙しい時間帯には、子どもを一緒にみてもらうことも。かなり助けられましたね。」 人と人を繋げるネットワークはいくつもあり、安心な食をテーマにお母さんたちが始めた青空市もそのひとつ。毎月決まった日に、地場産の野菜や加工品、雑貨や古着などが並び、この地に暮らす人たちが交流できる場になっている。 「都会のように公園に行けば誰かいる、という環境ではないからこそ、母親同士が声を掛け合って集まっては、楽しんで子育てできる時間を自分たちで作ってきました。子どもと一緒に工作をしたり、自然食の情報交換をしたり……都会生活にはない近所付き合いが、益子暮らしの醍醐味。だからといって、作り手や開業する人だけのコミュニティというわけではありません。益子で暮らしながら、宇都宮など県内に会社通勤しているご家族も多くいます。」 地域に支えられながら店を営む人、週末の家族時間を楽しんでいる人、それぞれの形で育まれる益子の暮らし。 土地が織りなす家族の風景が、そこにはあった。 そんな益子の今を教えてくれた池田さんに提案していただいたのは、1人で訪れても家族でステイしても楽しめる2泊3日のプラン。 < ショートステイのすすめ1「中心地エリアを散策して、益子の文化に触れる」 益子に訪れたらまず、益子本通りから城内坂通りにかけてのメインストリートを散策。軒を連ねる益子焼のショップやギャラリーをのぞくだけでも、釉薬の表情、味のある造形、作り手の個性を知ることができるので、益子焼の魅力にどっぷりとハマれるはずだ。 「益子初の益子焼専門店民芸店ましこ、新しい作家に出会えるギャラリーショップもえぎ城内坂店、江戸時代創業の藍染店日下田藍染工房など、この土地の手仕事に触れられるスポットがたくさんあり、時間を忘れて楽しめると思います。あと、プランには入っていませんが、濱田庄司記念益子参考館もおすすめ。日本有数の焼き物の産地として栄えるに至った歴史を学んだり、古い建物を生かした展示品を見られるので、時間があればぜひ行ってもらいたいですね。」 益子は農業が盛んなエリアでもあるので、器と農業が交わる「食」にもぜひ目を向けたいところ。自然食が味わえるつづり食堂、地産産の野菜を使ったイタリアントラットリア トレ アーリ、益子焼に盛られた彩り美しい料理を味わえるYOUNOBI Cafe and Bistroなど、この土地ならではの“おいしい”がたくさんある。 ショートステイのすすめ2「田畑や原生林からなる里山の風景を肌で感じる」 今回のショートステイの宿泊先は、池田さんが営む日々舎と同じ敷地内にあるB&B形式の宿泊施設益古時計。池田さん自身が益子で家探しをした際にも利用しており、居心地の良さはお墨付き。 「町の中心部に位置するので、徒歩やレンタル自転車で動く場合にも便利。何も考えずに朝ごはん付きにしてもいいし、朝から自由に過ごしたければもちろん素泊まりでもいい。アレンジがしやすいのでショートステイに最適です。」 2日目の朝は、益古時計で朝食をとって出発。 「器を扱うお店は益子に数多くありますが、山の麓にあるショップ&ギャラリーもえぎ本店はぜひ訪れて欲しいところ。建築関係の仕事をされているオーナーさんが手がけるだけあって、樹々に囲まれた環境と建物のバランスが本当に素敵。展示している工芸品も見ごたえがあり、私も時間が空いた時にはふらっと訪れています。そして、せっかく益子に来たならぜひ陶芸体験も! 自分の手によるものづくりの楽しさを実感できると思いますよ。」 本通りから少し離れた場所にある小峰窯では、本格的なろくろ回しや、自由に器を作る手びねりの他、小さい子どもでもクレヨン感覚で描けるパステル絵付けなどが体験可能(要予約)。 その他、山の中にひっそりと佇むアジアごはんの店作坊 吃(ゾーファンチィ)でランチをとり、地元の人のパワースポットでもある国指定重要文化財綱神社を参詣。自然のエネルギーを感じながら、ここに住む未来に想いを馳せるのもよいかもしれない。 ショートステイのすすめ3「暮らす視点で、訪れてみる」 最終日は、より移住を視野に入れて、おさえておきたい3つのスポット巡り。 まずは、モーニングセットを目がけて、朝7時からオープンしているカフェMidnight Breakfastへ。益子産の卵を使ったアメリカンなスイーツが並ぶ可愛いドリンクスタンドは、地域おこし協力隊として活動していた店主が営む店。タイミングがよければ、移住や起業にまつわる話を聞けるかもしれない。 2つ目は、益子を離れる前に訪れたい道の駅ましこ。「私たちにとってはスーパーと同様、日々の食材の買い出しに欠かせません」と池田さんがいうように、新鮮な農産物や暮らしにまつわる工芸品を目がけた観光客ばかりか、地元の人も通う場所。施設内には移住サポートセンターもあるので、空き家バンクや仕事などハード面の情報もあわせてチェックして。 最後3つ目は、そのまま足をのばして隣接する真岡市へ。真岡市は、いちごの生産量日本一を誇る“いちごのまち”としても名高いエリア。益子とはまた異なる静かでのんびりとした空気を肌で感じながら、人気カフェ喫茶ロクガツでひと休みを。 ショートステイの旅を終える頃、ますます益子が好きになったり、もっと深く関わりたいという気持ちが芽生えたり…自分の中で意識の変化があったら、それは移住への第一歩になりそうだ。 益子のいちばんの魅力は、とにかく“人” 「長年住んでいても日々刺激をもらえる理由は、益子に住む“人”が面白いから。それを感じ取っていただくためにも、お店の人とコミュニケーションを取ってみると、一歩踏み込んだステイができるかもしれません。私自身も、店頭で接客しているときに“移住を考えているんです”と声をかけられることがあります。益子で働く人は、いい感じにおせっかいな部分があります。散策しながら地元の人にリサーチして、“暮らす”イメージを膨らませて帰ってもらえたらうれしいですね。」 小さくとも個が光り、自分の暮らしを自分たちで作っていく気風に満ちた町。短い滞在でも暮らしの香りを感じ取れるこの町へ、出かけてみるのはどうだろうか。 ※この記事は、NEXTWEEKENDと栃木県とのコラボレーションで制作しています。
池田絵美さん
おいしいだけでなく、体がよろこぶパンを 毎年、春と秋に開催されている「益子陶器市」の会場となる城内坂通りを抜け、共販センターの先を右へ。坂道を少し登った森のなかに、小さな山小屋のような建物が見えてきたら、そこが「日々舎」だ。 緑色のかわいい扉を開けると、焼きたてのパンのおいしい香りに包まれる。日々舎を訪れたのは、オープン前の朝10時ころ。奥の工房では店主の池田絵美さんが、前日の夕方に仕込みを行い、ひと晩じっくりと発酵させた生地を成形し、年代物のガスオーブンで次々とパンを焼き上げていく。お店が開店する11時には、カンパーニュやライ麦40などのハード系のパンをはじめ、ベーグルやマフィン、クッキーなどが店頭にずらりと並んだ。 池田さんが目指してるのは、「おいしいのはもちろん、体がよろこぶパン」をつくること。それは、「自分たちが毎日食べたいパン」でもある。 そこで、パンづくりの素となる酵母は、レーズンや酒粕などの身近にある素材からおこし、ずっと掛け継いできた自家製酵母を使用(下写真は、オープン前から掛け継いできたレーズン酵母)。その自家製酵母と国産小麦をベースに、もっちりしっとりとした食感で、噛みしめるほどに旨みや風味を感じられるパンに仕上げている。また、野菜や果物はなるべく地元産のもの、有機栽培のものをセレクト。サンドイッチにはさむキャロットラペをはじめ、あんこや柚子ピールなどの具材も、すべて手づくりしている。 「おいしく体にも優しいパンを毎日丁寧にコツコツつくることで、みなさん日々に寄り添うようなパンになったらいいなと思っています。『日々舎』という名前には、そんな思いを込めました」 健康的な暮らしを目指し、東京から益子へ 子どもの頃から料理が好きで、大学に進んでからは、「健康的な食事」にどんどんと興味がわいてきたという池田さん。卒業後は、オーガニック系雑誌の編集部に就職。それから2年が過ぎたころ、「自分が届けたものへの反応を、もっと直接知りたい」と思うようになり、渋谷でオーガニックカフェの立ち上げからかかわり、料理や天然酵母のパンづくりを担当してきた。 「仕事は充実していたのですが、毎日がとても忙しくて。自分自身の暮らしから健康的なものにしたいと考え、自然が身近なところでの暮らしに興味を持つようになったんです」 ちょうどその頃、編集者として働いていたときから気になっていた益子のオーガニックカフェで募集が。池田さんは思い切って応募し、2006年に益子へ移り住んだ。そのオーガニックカフェでは、主にスイーツを担当。2年半にわたり経験を積んだ。その後、結婚、出産を経て、日々舎をオープンしたのは2014年10月のことだ。(下写真の男性は、カフェ&ギャラリー、宿泊施設である「益古時計」を営む神田さん。池田さんがパン屋を開くための物件を探していた際に、益古時計の敷地内にある建物を紹介してくれた) 「益子には陶芸をはじめ、さまざまなものづくりに打ち込む魅力的な人が多くて、いい刺激をいただいています。お店を開くなら、やっぱり益子がいいなと思っていました。また、これまでオーガニックの料理やパン、スイーツなどを経験してきたなかで『パン』を選んだのは、夫婦ともに自家製酵母のパンが好きで自宅でも焼いていて、一番興味があったからなんです」 常に同じ仕上がりになるよう、生地と対話しながら 自家製酵母によるパンづくりの面白いところであり、難しいところでもあるのは、日々の気温や湿度、水温などによって、味も仕上がりも変化する点だという。 「気温が高い夏はどんどん発酵が進むのに対し、冬は発酵に時間がかかります。そこで、例えば夏場は生地を冷蔵庫にしまい、ゆっくりと発酵が進むように調整します。逆に冬場は冷蔵庫には入れず、室温で発酵させます。特に難しいのが季節の変わり目。常に同じ仕上がりになるよう、気温や水温の管理や調整にはすごく気を使いますね」 このように手間ひまをかけさまざまな工夫を凝らし、じっくりと生地を発酵させるからこそ、味わい深く口どけのいいパンに仕上がる。今ではその味に惚れこみ、宇都宮や水戸、東京などの遠方から訪れるリピーターや、オンラインショップで繰り返し注文してくれる人が増えている。 「そんなリピーターの方から『あのパンが美味しかったよ』と言っていただいたり、ネットでの注文の際にメッセージをいただいたり、お客様一人ひとりの声が励みになっています」 益子に暮らす魅力的な人たちをお手本に オープンから3年目を迎え、だんだん新たに挑戦したことが見えてきた。将来的には、イートインスペースがあるカフェのようなパン屋を、ここ益子でつくりたいと池田さんは考えている。 「実は、うちの自家製酵母パンや全粒粉ベーグルは、しっかり中までふんわりと焼くことで、よりおいしく味わうことができるんです。今でも口頭やホームページでおいしい食べ方をお伝えしていますが、さらに、実際にお店で提案していけたらと考えています」 そんな次の一歩を踏み出すためには、まずはここ益子で自分たちの仕事や暮らしを確立していくことが大切だと感じている。 「益子には、自分で仕事を生み出しながら、暮らしも楽しんでいる人が多くて。そんなみなさんをお手本に、私もパンづくりに打ち込みながら、季節ごとに梅干しを漬けたり、味噌を仕込んだり、暮らしも丁寧につくっていきたいと思っています」
最大100万円+αの移住支援金をはじめ、さまざまな支援制度・補助金をご用意しています。
スムーズにとちぎ暮らしをスタートできるよう、また、移住後に後悔しないよう、
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